2025/07/05 15:34

七味唐辛子についての色々な情報を備忘録を兼ねて、まとめてみました。文中の効能や名前等の由来については諸説ありますが、一つの例としてご参考頂ければ幸いです。
【そもそも唐辛子とは?】
・”唐”の意味、もともと中国製品を表す唐物、江戸時代以降は長崎交易で輸入する舶来物
を表す。 唐人町とは中国人ではなくポルトガル人が住んでいた一角だった等の例が
あります。
・1492年コロンブスが西インド諸島を発見、翌1493年にスペインに持ち帰ったが唐辛子を胡椒
の新種として誤解したのが、後々のペッパーとレッドペッパーの紛らわしい名前の混乱の
元となる。結局、スペインではこのレッドペッパーが忘れられ後年、ブラジルでポルトガル人
が再発見したものがヨーロッパで広まった との説もあります。
・日本に伝来したのはポルトガル人宣教師が1542年に北九州のキリシタン大名、大友宗麟
に献上したとの記録があります。その時は観賞用だったそうです。
・日本でも唐辛子を南蛮胡椒と呼ぶ地域が正に九州にあり、今でも唐辛子が入っているのに
柚子胡椒なんて不思議な名前が残っていれのはその影響なんですね。
・面白いのは九州地方と長野県の一部で方言としてとうがらしを「胡椒」と呼ぶこと。
これは一説によると「唐枯らし」 に繋がる言葉は貿易でお世話になっている諸外国に失礼なので
言い換えたという。
・1624年、寛永元年に福砂屋がカステラを初めて商いを始めたした翌年、1625年に両国、
やげんぼりの薬種商だった中島徳右衛門が七味唐辛子の調合を発案しを世に送り出した
のが七味唐辛子の始まりと言われています。
・薬効:冷え性、肩こり、腰痛、食欲不振、しもやけ
・カプサイシンには、脂肪をよく燃やしたり、エネルギー代謝をよくする効果があり、また、
免疫力を高める効果もあることがわかっています。
【陳皮】
・温州ミカンの皮を丁寧に陰干しして熟成させたもの、旧いもの、陳旧なるものが有難いと言う
のが陳皮なる名前の由来。日本国の薬の法典である日本薬局方にも登録されている立派
な生薬。
・ポリフェノールの一種であるフラボノイドを含み、咳のお薬や食欲不振や吐き気止め等にも
処方されます。また血圧降下作用もあるとされております。
【青海苔】
・緑藻類アオサ科アオノリ属の海藻です。 豊かな香りと鮮やかな緑色です。ビタミン、
ミネラルが多く、特にカルシウムは海苔の2倍以上含みます。天日で乾燥させ松葉の様に
散る松葉形に加工したものです。
・ご婦人方にはシミ、そばかすの原因であるメラニン色素の沈着を予防し皮膚に潤いを与える
正に高級化粧品の効果さながら、また、肝臓の働き、血行を改善し、またタバコのニコチンを
浄化する物質が含有されているので肺がんの予防にもなると言われております。
さらには海苔の葉緑素はコレステロールを下げます。
【山椒】
・一般的に山椒は調味料として使われていますが、これは山椒の実の皮を粉末にしたもので
す。
・食物繊維、カルシウム、ビタミンB,E等を含み、痺れの成分サンショオールは内蔵の働きを
司る脳の部分を刺激して胃もたれの改善、健胃機能を高めます。
・漢方医学では、鎮痛、殺虫、解毒、嘔吐、腹痛、下痢、消化不良、寄生虫駆除などにも用い
られています。また、不整脈、狭心症、消火器系統の病気の治療にも役立つことが確認され
ています。
・山椒の抽出物には、免疫力を高め、血栓の形成を遅延させ、血小板の凝集を抑制する作用
もあり、消化系などに影響を与えることが分かっています。
・また、胃の潰瘍の形成を抑制する作用があり、胃腸の活動を調節し、肝臓を保護する効果
もあります。
【白胡麻】
・栄養価は植物の中で最も高いレベル ごまはゴマ属の植物の種子で、白ごま、黒ごま、
金胡麻、茶胡麻など種類があり様々な栄養素を含んでおり、その栄養価は植物の中で最も
高いレベルと言われます。
・胡麻に含まれる栄養素は主にアルギニンやオレイン酸、リノール酸、タンパク質やセサミン
鉄分、ナイアシンやビタミンB群など多様です。漢方ではごまは総合的に栄養素を含み滋養
強壮、老化防止の効果があると言われています。ビタミンEとリノール酸による強い抗酸化
作用があります。
血中のコレステロールの排泄を促し活性酸素を減少させることで、血管年齢を若返らせ
血管の老化から生じやすい脳卒中や、心筋梗塞を予防します。
・また抗酸化作用により、ガンを予防し免疫機能を向上させる効能があるとも言われてい
ます。 ごまに含まれる代表的なミネラルがカルシウムであり、その量は牛乳の約10倍と
いわれます。カルシウムには神経や筋肉を正常に保つ機能があり、カルシウム不足による
イライラ解消や骨密度を保ち骨を丈夫にする効果があるため骨粗鬆症の予防や子供の
成長にとても良い食べ物です。
・ごまには鉄分も多く含まれており、ヘモグロビンが正常に作られることで貧血の改善に役立
ちますし、鉄不足から生じる倦怠感や疲れやすいなど体力の低下を改善します。
・更に、ごまには良質の油分が多く含まれており肌の水分、弾力を取り戻し美肌になる効果も
期待できます。 ごまに含まれる良質の油分の中にはリノール酸やオレイン酸があり身体で
合成できない必須脂肪酸であり、リノール酸は細胞膜を作る役割を果たしており代謝に関与
します。またオレイン酸は悪玉コレステロールを減らして腸内環境を整え便秘の予防の作用
があります。
【麻の実】
・20種類のアミノ酸を含み、この中に9つの必須アミノ酸が含まれています。必須アミノ酸は、
体内では作ることができないものです。
・亜鉛や鉄分といったミネラル分も豊富に含まれています
・免疫を高め、毒物を排出し、病気になりにくいからだにしてくれます。つまりより健康になる
わけです。
・最近はスーパーフードとして注目を集めており、麻の実から抽出したオイル等関連商品も
大人気となっております。
【焼き唐辛子】
・主成分・効用は生唐辛子と同じ。 ただ、焙煎することで辛味がまろやかになり、香りが一段
と増します。
【柚子】
・酸味がとても強い柚子の中にはクエン酸、酒石酸、りんご酸などの有機酸類が多く含まれ、
疲労回復、肩こり、筋肉痛を 予防し胃液分泌の働きを助け胸やけ、胃痛を解消する働き、
そして肝臓の働きまで円滑にします。
・香の素・精油成分のリモネン・ノミニン・シトラールは血液循環促進、のど炎症とせき緩和、
皮膚がんの抑制効果、血行がよくなり新陳代謝を活発にするので体がよく温まり、冷えに
対して効果をもたらします。
・また免疫力を高める作用により、風邪をひきにくくするといわれています。
・その他にも疲労回復や筋肉痛,神経痛、リウマチ痛などの痛みが取れることでも知られ
ています。また、抗腫瘍作用、鎮痛作用、抗炎症作用、殺菌作用の働きをします。
・ビタミンC・P・A・D・フラボノイド 抗酸化作用があり活性酸素を消去する働きがある。血中
コレステロールの低下、抗ウイルス作用、抗ガン作用の働きをします。
・またビタミンPも含まれ、血圧低下、脳卒中や、心筋梗塞の発作予防の働きもする。 また、
苦味成分であるリモノイドは発癌抑制効果、悪玉コレステロール抑制効果があります。
・皮に含まれるヘスペリジンは毛細血管を丈夫にする作用により脳血管障害による病気の
予防と治療に効果があると言われ老化を防ぎます。
以上、七味に関する四方山話、正に、身体に良いもの七味、七色、七通りですね。