2025/07/10 23:59

七味唐辛子の啖呵売の売り口上、人によって同じ様で少し違ったり様々ですが、なかなか活字を読んで、ゆっくり吟味する機会も少ないので代表的なものを書き出してみました。

皆さんも良くご存知だとは思いますが、以下に出て来る品物の産地は、まだ日本で全ての材料が自給出来ていた時代の代表的な産地を示すもので、現在の製品の産地を意味しているものではありません。また、効能も即効性のあるものでも、万人にすべからく当てはまるものでも有りませんのであくまでも参考程度のものとご理解ください、それでは…。


それでは、七味七色、七通り先ずは中辛から七種類を順番に入れて調合して参りましょう。

最初に入りますのは、主役の八房。不思議にも必ず八つの房を実らせると言うこの八房、四国讃岐の名産物です。主成分であるカプサイシンには、脂肪をよく燃やしエネルギー代謝を活発にする効果があります。
さらに、免疫力を高める効果もあることがわかっています。

続いては紀州は有田、和歌山県の特産物であるお蜜柑の皮を粉末にしたもの。中国漢方では陳旧なるものに価値がある事から陳皮と呼ばれています。ビタミンCたっぷり風邪のお薬や、健胃生薬としても用いられます。

磯の香りを楽しみましょう。細かく千切って散らしたところ松葉の様に見えることから松葉海苔とも言われております。海のミネラルたっぷり老化防止や肺癌の予防、美白効果もあると言われております。香りの良い青海苔は江戸前は東京、大森の名産。香りの良い青海苔に続きましては、

香りと言えば風味、風味と言えば香り、やはり七色、七味に欠かせないのがこの山椒の味と香り、
色は黒いが味みやしゃんせ(味見はしゃんせ、ではありません)、誰が植えたか岩(言わ)山椒。山椒、三年目の薬。と歌にも謳われております、東海道は朝倉山の名産。

また、金ごま、銀ごま、白ごま、黒ごまと数ある種類の中から武州川越は埼玉県の特産物である白ごまの摺りごま。脂肪分たっぷり食物のバターとも言われるこの白ごま、血液の循環を促し脳卒中や心臓病の原因である動脈硬化を防ぎます。

続いてこちら、見た目は固そうですが噛んで香ばしい野州日光は栃木県の名産。
噛んで香ばしいだけでは無く、動悸、息切れ、心臓のお薬。また人間の嫌な体臭や口臭を消し止めてくれます。

最後に入りますのは、唐辛子を焼いた焙煎唐辛子です。焼くことにより香ばしくなり辛さと風味に深い味わいを与えます。こちらは信州からです。長野県は善光寺さん門前の八幡屋さんで有名な焙煎唐辛子が入りまして七種類、七色のお目通り、七味唐辛子となります。

この様に薬効あらたかな各地各種の名産物が花のお江戸に集められ、三代将軍家光公のご時世に誕生致しました、この七味唐辛子。その後、時代は下り明治、大正、昭和、平成と現代に至るまで秘伝の調合、伝統の香りで御座います。

只今、お客様の目の前にて各地の名産品を十二分に混ぜて出来上がりましたこちらが、秘伝の中辛となっております。

朝晩のおみおつけ(お味噌汁)から鍋物、煮物と何にかけて頂いても大変美味しく頂けます。また滋養、薬用となっております。
(薬事法上「薬用」とは言えませんが、)

まぁ、こんか感じですね。お祭りの喧騒の中、何を言っているのやら?やたら威勢が良くて意味不明??だったら、こちらを参考にして聞き比べてみて下さい。新たな発見や口上師のオリジナリティが良く分かると思います。